アメリカ ニューヨーク州ロングアイランド出身のブライアンとマイケルのダダリオ兄弟によるデュオ。2016年のデビューアルバム『Do Hollywood』で卓越したメロディセンスとクラシック・ポップへ傾倒した作風で注目を集める。懐かしさを感じさせながらもハイ・クオリティな作品を定期的に発表し続け、本作は通算6作目のアルバムとなる。
最高すぎる。
先行曲「I Just Can’t Get Over Losing You」と「2 or 3」を聴いた時点で、名盤確定を予感していたが、期待以上の手ごたえに嬉しくなる。60〜70年代ギターポップの素晴らしさだけを抽出し、自分たちの血肉として鳴らしてきた彼らのディスコグラフィーの中でも、本作はひときわ突き抜けた印象を受ける。
圧倒されるのは、過剰なまでに重ねられたコーラスワークの精密さだ。そこに、切なさをまっすぐ涙腺へ届けるメロディーが絡み合う。緻密に設計されながらも、決して窮屈さを感じさせず、むしろ開放感すら漂わせる演奏がそれを支えている。
ここにはこれまで通り、The Kinksも、The Whoも、The Beach Boysも、The Byrdsもいる。とりわけ後半、「Yeah I Do」~「I Hurt You」辺りの流れは、ビートルズのファーストアルバムに入っていてもおかしくない、「あの感じ」を感じてたまらない。
ただ、本作が単なる懐古趣味に終わっていないのは、ところどころに滲むわずかな実験性だろう。前作までの端正なパワーポップ路線を軸にしながらも、今作ではほのかなサイケデリック感が差し込まれる。その最たるものがラストの「Your True Enemy」。アルバムを締めくくるその余韻は、美しいだけでは終わらない微かな違和感を残し、聴き手の感覚をわずかに揺らしていく。
デビュー当時から変わらぬテイストでクラシックなソングライティングをより深く掘り下げてきた彼らだが、そのクオリティは恐ろしいまでに洗練されている。
文句無し。
[favorite tracks]
M5:I Just Can’t Get Over Losing You
M9:Yeah I Do
M13:My Heart Is In Your Hands Tonight

