FUJI ROCK FESTIVAL ’26 個人的注目アクトまとめ

特集

いよいよ開催直前に迫ったFUJI ROCK FESTIVAL ’26。

タイムテーブルを見て一喜一憂している人も多いと思うが、ここでは個人的にぜひ目撃したいアクトを挙げてみたい。


絶対マスト!重要アクト3組

The xx

Day1:GREEN STAGE

個人的フジロック史を振り返ったとき、2013年のWHITE STAGEで見たThe xxは間違いなくハイライトのひとつだ。

音源から受ける印象はダークで静のイメージ。しかしライブでは、その奥に秘められていたバンドの肉体性が一気に解き放たれる。RomyとOliver Simによる陰影のあるボーカル、そしてJamie xxが操るエレクトロニクス。そのすべてが有機的に結びつき、圧倒的なグルーヴと高揚感を生み出していた。
2017年出演時は見逃してしまったため、今回は実に13年ぶりの再目撃となる。

欲を言えば新作を携えて戻ってきてほしかったところだが、それはまた次の楽しみ。最近は各メンバーのソロ作品もセットリストに入ってくるようで、それも見どころだ。


MITSKI

Day3:WHITE STAGE

Mitskiもまた、個人的に再会を心待ちにしていたアーティストのひとりだ。
前回見たのは2019年のRED MARQUEE。当時は体操着のような衣装に身を包み、テーブルを使った演劇的なパフォーマンスが強烈な印象として残っている。
最新作『Nothing’s About to Happen to Me』は、一見穏やかな肌触りを持ちながら、その奥に孤独や喪失感が静かに漂うような作品だった。

その内省的な世界が、WHITE STAGEという開かれた空間でどのような景色を描くのか。静かな緊張感に満ちた時間になる予感がしている。

Mitski - Nothing’s About to Happen to Me ~ミツキの部屋から出られない
Mitski(ミツキ)は、日本生まれ・NYを拠点に活動する日系アメリカ人のシンガーソングライター。2012年のデビュー以降、『Be the Cowboy』(2018)などで高い評価を受け、2023年には「My Love Mine All M...

TURNSTILE

Day1:GREEN STAGE

2024年ホワイトステージで見た彼らのパフォーマンスは度肝を抜かれた。
正直、フジロック的にはアウェーとも思えたハードコア・スタイルで、なおかつオーディエンスの多くが疲労のピークである三日目のトリという時間帯に関わらず、1曲目「T.L.C. (TURNSTILE LOVE CONNECTION)」が鳴った瞬間、会場の空気は一変する。サークルモッシュが自然発生し、ダイブが飛び交い、最後は大量の観客がステージへ雪崩れ込む大混沌。まるでパンクやハードコアの理想郷のような光景だった。あの熱狂を、今度はGREEN STAGEで体験できる。

しかも最新作『NEVER ENOUGH』ではハードコアを軸にしながらも、ポストパンクやドリームポップ的な要素まで飲み込み、楽曲のバリエーションとしては格段に上がっている。いま最も「旬」なロックバンドである彼らを見逃す手は無い。


多様で見どころ満載のインディ勢

当サイトとしては、やはりインディ・ロック/ポップ勢の充実ぶりを語らないわけにはいかない。今年もフジロックらしい絶妙なブッキングが並んでいる。

THE LEMON TWIGS

Day3:RED MARQUEE

かなりの来日頻度である印象があるが、フジロック出演は2017年以来2度目。

その間にも彼らは作品ごとにメロディメーカーとしての才能を磨き続け、現代屈指のポップ職人へと成長した。

60~70年代のポップスやロックへの深い愛情を感じさせながらも、決して懐古主義には陥らない。その絶妙なバランス感覚こそが彼らの魅力だ。
黄金ポップの旋律で躍らせてほしい。


SNAIL MAIL

Day1:RED MARQUEE

2022年以来2度目のフジロック出演。

最新作ではオルタナ色がやや後退した印象もあるが、その分Lindsey Jordanが持つ伸びやかな歌声がより際立つ作品になっていた。
RED MARQUEEの空気の中で、その声がどんな余韻を残すのか味わってみたい。


SORRY

Day1:RED MARQUEE

オルタナ的なダークな世界観が魅力のロンドンのインディ・バンド。発表してきた3作のアルバムはどれも異なる印象で、楽曲としてのバリエーションを広げてきた。最新作『COSPLAY』でより開かれた表現を見せてきた彼女たちのステージは必見。


GEORDIE GREEP

Day3:WHITE STAGE

black midiとして二度フジロックに出演しているが、ソロ名義では今回が初登場。

ジャズ、プログレ、ラテン、ロックを縦横無尽に横断する音楽性は、もはやジャンルという言葉では説明がつかない。

予測不能な展開の連続に翻弄されながら、その異様な才能を改めて目撃することになりそうだ。


Friko

Day3:RED MARQUEE

2024年にGREEN STAGEで見たライブでは、正直なところあの広大な空間にまだバンドの表現がフィットし切っていないようにも感じた。

しかし今回はRED MARQUEE。繊細さと爆発力を併せ持つ彼らの魅力が最も伝わる環境と言っていいだろう。ばっちり最高のステージを決めてほしい。

Friko - Something Worth Waiting For ~静寂を突き破る飛躍
シカゴのインディ・コミュニティ「Hallogallo」をホームグラウンドに持つ4人組インディ・ロック・バンド、Friko。2024年、ここ日本でも作品そのものの力だけで異例のバズを巻き起こし、デビューアルバムは大きな注目を浴びることとなった...

THE BETHS

Day2:RED MARQUEE

今年2月の来日公演も記憶に新しいが、早くもフジロックに帰ってきてくれるのがうれしい。

とにかくギターポップとしての完成度の高さが魅力。軽やかでキャッチーなのに、歌詞には不安や喪失、自己肯定感の揺らぎといった感情が丁寧に織り込まれている。

最新作ではそうした内面性がさらに深まっていた。その繊細さがライブではどんな開放感へ変わるのか、RED MARQUEEで確かめたい。


Arlo Parks

Day1:WHITE STAGE

デビュー当時のインディ・ロック色から一転、最新作ではUKガラージを大胆に取り入れ、ダンス・ミュージックへと大きく舵を切った。

従来のファンには驚きもあったかもしれないが、この変化をライブでどう昇華しているのかは非常に気になるところ。

WHITE STAGEの夕暮れに鳴る彼女の新しいサウンドは、音源とはまた違った印象を残してくれそうだ。


QUADECA

Day2:RED MARQUEE

エレクトロ、アンビエントを軸に、ヒップホップやフォークまで飲み込んだ唯一無二のサウンドスケープを描くアーティスト。

今回が待望の初来日となる。

一曲ごとに空気が塗り替わっていくような没入感が魅力だけに、RED MARQUEEという環境との相性も良さそうだ。


KIKI

Day3:ORANGE ECHO

タイのシンセポップ・バンド。

どこか懐かしさを感じさせながらも未来的な響きを持つサウンドが心地よく、以前からプレイリストで耳にするたび気になる存在だった。

問題は時間帯。見たいアーティストが集中している時間なので悩ましいが、短時間でものぞいてみたい一本だ。


TORO Y MOI

Day1:WHITE STAGE

チルウェイヴを代表する存在として知られるが、ライブではイメージが一変するという評判も耳にする。

音源のような浮遊感だけでは終わらない、ダンサブルで熱量のあるステージになるのなら、そのギャップも含めて体験してみたい。


鳴り響くレベル・ミュージック

音楽は祝祭であると同時に、社会へ向けて声を上げる表現でもある。

今年のフジロックでは、その側面を象徴する二組が同じGREEN STAGEに並んだ。

MASSIVE ATTACK

Day3:GREEN STAGE

トリップホップを代表するブリストルのユニット。

彼らが唯一無二なのは、美しいサウンドスケープと鋭い政治性が矛盾なく共存していること。

レゲエやダブを取り込んだ重厚なグルーヴに身を委ねているうちに、そのメッセージ性も身体へ染み込んでくる。

ライブでは視覚的に訴える直接的な映像演出も含めて一つの作品になる。それが逆に邪魔で音楽だけに集中したいという意見も目にしたことはあるが、そこも含め注目だ。


KNEECAP

Day3:GREEN STAGE

北アイルランド・ベルファスト出身のヒップホップ・トリオ。

自ら出演した半自伝的映画『KNEECAP/ニーキャップ』では、アイルランド語でラップすること自体が文化的抵抗であり、アイデンティティを守る行為として描かれていた。

コーチェラでの政治的メッセージも大きな議論を呼んだが、彼らにとって音楽と社会は切り離せないものなのだろう。

賛否も含めて、いま最も「現在」を映しているアクトのひとつだ。


轟音とエモの猛者たち

THURSTON MOORE GROUP

Day2:RED MARQUEE

Sonic Youthのサーストン・ムーア率いるバンド。

Steve Shelleyも参加するというだけで胸が高鳴る。

ノイズと即興、そして爆音。

正直、どういうステージになるのかあまり想像出来ないが、ジャンルという概念そのものを揺さぶるようなライブになりそうだ。


MOGWAI

Day3:GREEN STAGE

静寂と轟音。

MOGWAIほど、その振れ幅だけで観客を飲み込めるバンドはそう多くない。

GREEN STAGEという広大な空間で浴びる轟音は、ライブというより自然現象に近い体験になる気がしている。


AMERICAN FOOTBALL

Day3:RED MARQUEE

エモの代名詞といえばこのバンド。

1999年のセルフタイトルのファースト・アルバムはもはや伝説級の名盤扱いだが、最新作(これもセルフタイトル。ややこしい)も負けず劣らず、成熟したメランコリアの味わいで進化を遂げていた。これを爆音で体験できる機会は貴重。


注目ラップアクト

LOYLE CARNER

Day3:GREEN STAGE

サウスロンドン出身のラッパー。ジャジーで温かみのあるトラックが特徴だがそのグルーヴは本物。また家族やメンタルヘルスについての語りをするなど、親密感のある空間を作り出すステージも魅力だが、言葉の壁のあるグリーンステージではどうなるか。


TRUENO

Day2:GREEN STAGE

アルゼンチンのラップシーンを代表する存在。

Gorillazへの参加も話題になったが、それ以上にラテン・カルチャーの勢いを象徴するアーティストと言える。

昨年のCa7riel & Paco Amorosoに続き、今年も苗場に熱いラテンの風を運んできてくれそうだ。


これぞフジロック!ディープな世界観を体現するバンドたち

フジロックには「こんなバンド、どこで見つけてきたのか」と言いたくなるようなバンドが数多く出演する。まだ知らない音楽との出会いは至上の体験だ。

SON ROMPE PERA

Day1:WHITE STAGE

コロンビア発祥のクンビアを、パンク精神で鳴らすメキシコのバンド。

しかも主役はマリンバ。

文字だけでは想像もつかない組み合わせだが、一度音を聴けば理屈抜きで身体が動き出す。

フェスだからこそ出会いたい一組だ。


LA LOM

Day1:CRYSTAL PALACE TENT
Day2:FIELD OF HEAVEN

ソウル、ボレロ、クンビア、チーチャ、カントリー……

ロサンゼルスで結成されたインストゥルメンタル・トリオ。50〜60年代のソウル・バラード、メキシコのボレロやクンビア、ペルーのサイケデリックなチチャ、カントリーなどを融合したサウンドでダンスフロアを揺らす。フジロックではクリスタル・パレスとフィールド・オブ・ヘブンの2つのステージに登場。どちらかでは見たい。


KHRUANGBIN

Day2:GREEN STAGE

ある意味、彼らをヘッドライナーとしている事が今年のフジロック最大の特徴と言えるだろう。
音源を一聴しただけでは想像がつかないが、2019年のフィールド・オブ・ヘブンで伝説的な熱狂を生み出してのこの抜擢。
しかもラテンなのか中東なのかアフリカなのか、サウンドの特徴も良く分からない無国籍感で、正直、どんなサイケデリック・グルーヴが体験できるのか。
こういうバンドがフェスの頂点に立てる自由さこそ、フジロックというフェスの豊かさなのだと思う。


他にも気になっているバンドや人気アクトもたくさんいてとても紹介しきれないが、当日の空気を一番大事にして楽しみたい。

苗場へ向かう皆さん、ぜひ最高の3日間を。
そして、「これは本当に良かった」というライブがあれば、ぜひ教えてください。

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