アメリカ カリフォルニア州出身。オルタナティヴを語る上で絶対に外すことのできないソニック・ユースのヴォーカル/ベーシスト/ギタリスト。バンド解散を経て、3作目のオリジナルアルバムをリリース。
キャリア40年以上を誇るレジェンドでありながら、我々は果たしてキム・ゴードンというアイコンをどこまで理解できているのだろうか。
前作の流れを汲みつつも、本作は鋭く刺激的で、それでいて異様な瑞々しささえ感じさせる。もしかすると Sonic Youth 時代を含めても、今が最も刺激的なフェーズにあるのではないかとすら感じてしまう。
前作同様、LAのプロデューサー、Justin Raisen とのタッグは、本作でさらに重要度を増している。Charli XCX、Sky Ferreira、Yves Tumor、Lil Yachty といった最先端ポップを手がける彼のトラックを土台に、キム・ゴードンが即興的にヴォーカルやギターを重ねていくという制作手法が採られているという。
前作ではまだ、わずかな迷いや曖昧さも感じられたが、本作ではさらに鋭く、迷いのない自信に満ちているように感じる。それは前作の成功があったからとも思うが、この手法そのものに確信的な手応えがあるからなのだろう。
こうしたアプローチをベテランが取り入れる場合、新しい表現に無理に寄りかかる形になってしまうことも少なくなさそうだが、彼女の場合はむしろ逆で、冷ややかにトラップビートを使い倒しているような印象すらあり、その圧倒的な胆力が恐ろしくもある。
決定的なのが、前作『The Collective』のリードトラック「BYE BYE」を再構築した「BYEBYE25!」。単なるリメイクかと思いきや、その変貌ぶりに驚かされる。
元々「BYE BYE」は旅行の持ち物リストを読み上げる楽曲だったが、本作では、トランプ政権下で使用回避が求められた言葉たちを淡々と列挙する内容へと変化している。
「advocate(提唱者)」「climate change(気候変動)」「female(女性)」「Hispanic(ヒスパニック)」「immigrants(移民)」――そうした単語が無機質に並べられていく様は、不気味でありながらどこかユーモラスでもあり、本作のアート性を批評的に際立たせている。
[favorite tracks]
M1:PLAY ME
M5:DIRTY TECH
M12:BYEBYE25!


