Wednesday – Bleeds ~ノイズと郷愁の狭間で、震える表情

レビュー
ノースカロライナ州アシュビルで結成。カントリー、シューゲイザー、90年代オルタナティヴ・ロックを融合させたサウンドが特徴の、Vo.カーリー・ハーツマンを中心としたバンド。

初めてWednesdayの作品に触れたのは2021年「Twin Plagues」で、その時は完全にオルタナ/シューゲイザーのバンドという印象を持った。ブレイク作となった2023年の前作「Rat Saw God」で、「フォーク/カントリーを経由したサウンド」という批評を多く目にして、最初の印象との違いに戸惑ったことを覚えている。確かに「Twin Plagues」を聴き返すとカントリーの要素は確実に感じ取ることができる。彼らは作品ごとにフォーク/カントリーとオルタナ/シューゲイザーの配分を自在に変えてくるバンドなのだ。

その意味で本作はこれまでの作品よりは幾分カントリー寄りに比重が置かれた、メランコリックな感触の作品と言えるかもしれない。前作における「Bull Believer」のような爆裂的で決定的な1曲には欠けるが、細部の描写や空気の変化に意識が向けられているように思える。楽曲のダイナミズムは保ちつつ、繊細な表現力で聞き手を巻き込む力は増していると感じる。

最大の魅力はVo.カーリー・ハーツマンの、決して強くなく震える繊細な歌唱だ。激しいギター・ノイズの中でも静かな楽曲の中でも、等しく存在感のある彼女の声の魅力が、すべての楽曲に抗いがたい魅力を与えている。

ソロ作がバンドを上回る絶賛を浴びたギタリストのMJレンダーマンが本作のツアーから離脱することが伝えられていて、Wednesdayとしては今後の作品に悪い影響が出ないかだけが若干の不安要素だが、ブレずに良い作品を今後も届けてほしい。

[favorite tracks] 
M2:Townies
M3:Wound Up Here(By Holdin On)
M4:Elderberry Wine


2025年9月リリース作品

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