2014年にニュージーランドのオークランドで結成された4人組インディー・ロック・バンド。2018年に1stアルバム「Future Me Hates Me」をリリース。本作は2022年「Expert In A Dying Field」以来の4作目となる。
前作「Expert In A Dying Field」でギターポップバンドとして一つの到達点とも言える成功と高い評価を収めた彼女たちだが、本作はほんの少しビタースウィートな感触を帯びた作品となった。
母親との関係性の難しさを歌う「Mother, Pray For Me」や、失恋ソングの「Til My Heart Stops」など、内省的な主題に踏み込んでいる背景には、ソングライターであるリズの心身の健康問題や、母国での大洪水といったシリアスな出来事による心情が、そのまま作品のトーンに反映されているよう。軽快さよりも静的な情緒を掘り下げているようなテイストは、感情のディテールや録音の空気感が意識的に捉えられ、明るさと翳りが同居するコントラストを感じさせる。
だがそれでも、「これぞTHE BETHS!」とも言うべき「Metal」や「Take」といったきらめくギターポップは抗いがたい魅力として健在。また「No Joy」ではネガティブな感情をザ・ハイヴスを思わせる印象的なギターリフと共にユーモアたっぷりに歌い上げる新機軸を見せている。
最終曲「Best Laid Plans」は困難を受け入れながら立ち上がるようなポジティブなフィーリングに溢れていて、本作が暗いだけの印象に陥ることを回避している。「耳障りの良いギターポップ/パワーポップバンド」から「音に感情を込めて表現できるバンド」へと確実に進化していることが伝わる、静かな転換点がいくつもの瞬間に刻まれている。
アルバム冒頭である表題曲「Straight Line Was A Lie」では演奏は早々に中断され、「1,2,3,4」のカウントと共にやり直される。たとえ躓いたって、僕らは何度でもやり直せばいい。
[favorite tracks]
M1:Straight Line Was A Lie
M2:Mosquitoes
M4:Metal
2025年8月リリース作品


