Puma Blue ~Croak Dream 有機グルーヴの到達点

レビュー
南ロンドン出身でアトランタを拠点に活動するアーティスト、ジェイコブ・アレンによるプロジェクト。2021年には、デビュー・アルバム『In Praise of Shadows』を、2023年にはセカンド・アルバム『Holy Waters』をリリース。本作は2年半ぶりとなるフル・バンドによる3作目となる。

比較的リラックスしたムードだったEP作品群を挟んで発表された本作は、1曲目「Desire」が纏う空気感からして尋常ならざる名盤の佇まい。演奏のアンサンブルが生々しく息づき、その心地よいグルーヴを、程よくエモーショナルなボーカルがしなやかに引き立てる、ダークで妖しくて踊れる路線の極みのようなアルバムだ。

乱暴に言ってしまえば、『In Rainbows』期以降のRadioheadである、と言ってしまうのが分かりやすい説明で、そこにPortishead的なトリップホップの陰影やダブの空間処理、さらにはR&B的な揺らぎが溶け合い、いくつもの文脈が折り重なっているが、プロデュースに前作『Holy Waters』からFrank OceanやRadioheadも手がけたサム・ペッツ・デイヴィスが入っていると知って納得。相当にプロダクションも練られているのだろう。バンドサウンドでありながら、エレクトロな質感も同時に感じさせる。

ただ、それらの音を分析的に追う以上に、緻密に構築されたプロダクションに耳をそばだてながら、バンドとしての野心的で機能的なグルーヴに身を任せて楽しむのが良いと思う。

きっとライブも凄いんだろうな。

[favorite tracks]
M1:Desire
M4:Croak Dream
M8:Jaded
M9:Silently

2026年2月リリース作品

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