Geese – Getting Killed ~これが、2025年最高のロックンロール・アルバム

レビュー
ニューヨーク州ブルックリン出身の5人組バンド。本作は2021年 レーベル・デビュー作となる『Projector』、2023年の前作「3D Country」に続く作品で各種メディアで軒並み高評価を得て大注目を浴びる。2024年にはキャメロン・ウィンター(vo) のソロアルバム「Heavy Metal」を発表。

本作を聞いた瞬間、Fontaines D.C.やWet Legなどと並んで2020年代のロックンロールを定義するバンドたちがようやく出揃ったと感じた。

70年代のザ・ローリング・ストーンズがやっていたことを2025年の感覚でやったらどうなるか。または90年代のBECKがもっとロックンロールに意識的な感覚でブルース/カントリーをやってそれを現在版にアップデートしたらどんな音楽になるのか。ニック・ケイヴやスコット・ウォーカーの声を持つ若者がトーキング・ヘッズとザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの物まねバンドを真面目に組んだらどうなるか。

そんな妄想を想起させる、2025年を代表する大傑作ロックアルバム。

1stアルバム「Projector」でのポストパンク路線から前作「3D Country」でカントリーへサウンドアプローチを大きく変えてきたのは、もちろんここ数年のアメリカーナ的なものへの捉え直しが米国ポップス全般において大きな潮流になっていたことと無縁ではないはず。彼らはポストパンクとの接続を自らの想像力と演奏力でもって拡張することに成功。本作においてその変化を良い意味で過剰にクセ強で振り切ったのが完全に功を奏している。

ストロークスと対比されることが多いが、質感的に洗練された都会の感じは皆無で、リズムの強靭さと多彩さを感じさせる泥くさく武骨な質感のロックンロールサウンドは、ドラムの生々しいタッチも相まって、スタジオ作品でありながらライブに近い切迫感がある。

[favorite tracks]
M1:Trinidad
M6:100 Horses
M10:Taxes

2025年9月リリース作品

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