The Sophs – GOLDSTAR ~無軌道こそが直球のデビュー作

レビュー
LAを拠点に活動する6人組。ライブ未経験のままデモテープを送り、Rough Trade Recordsと契約に至ったという逸話を持つ。

昨年の先行曲「SWEAT」が出た時点で聴いていたので、「分かりやすいストロークス直系バンドが出てきたな。アルバムが楽しみ」と思っていたが、満を持していざ本作を聞いて完全に面食らう。1曲目、ささやくようなヴォーカルから一転して過剰なまでにエモーショナルなギターが炸裂し、Museのようなゴシックな高揚感を帯びた楽曲に大笑い。続く表題曲ではフラメンコ調のリズムを取り込んだ曲調がエキゾチックへ逸脱していく。

全然想像していたテイストと違っていて、本当に同じバンドかと疑いたくなったが、同時に確信犯的な強度も感じさせる。どうやら彼らの本質は、やりたいことは何でも抵抗無く詰め込み、ジャンルの整合性よりも衝動の純度を優先する、あらゆる要素を躊躇なく混ぜ合わせる姿勢にあるようだ。それは現代的な感覚に裏打ちされたポップアート的手法であり、ロックの初期衝動を別の角度から更新する試みとも言えるかもしれない。

とは言え前述の「SWEAT」の直線的な魅力はやはり強烈であり、「They Told Me Jump, I Said How High」ではブルージーな側面も覗かせる。「SWEETIEPIE」はカントリー調の緩い導入から熱量を増幅させていく構成が昂揚を誘い、The Libertinesを想起させずにはいられない。ついでに言うと「DEATH IN THE FAMILY」はWEEZERみたいだ。

その雑食性と未完成ゆえの危うさは、今この瞬間にしか鳴らし得ない切実さを確かに宿している。The Sophsがこの先どこへ向かうのかは完全に未知数だが、その不確かさこそが最大の魅力。不遜に無軌道で突っ走ってほしい。

[favorite tracks]
M4:SWEAT
M6:SWEETIEPIE
M7:DEATH IN THE FAMILY

2026年3月リリース作品

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