2026年の夏フェスはどうなる?フジロック/サマソニ ラインナップ雑感

コラム

まず断っておきたいのは、自分は2004年以来ほぼ毎年フジロックに参加しているが、サマソニは過去数回、どうしても見たいアクトがあるときのみ足を運んでいる立場だということ。どうしても苗場贔屓な物言いになってしまうかもしれないが、本稿ではできるだけフラットにラインナップの雑感を書いてみたい。

SUMMER SONIC 2026

https://www.summersonic.com/
2/2(月)に第1弾が発表され、現在は第3弾まで公開されている。
昨年とは異なり、一気に大ボリュームでの発表。25周年・3日間開催ということもあり、主催側の自信がうかがえる。事前に日本人ヘッドライナーの可能性も噂されていたが、蓋を開けてみればTHE STROKESL’Arc~en~Cielというインパクト十分の布陣。
個人的にストロークスは超特別な思い入れのあるバンドだし、ラルクは世代でもあり、集客力という点でも申し分ない。

ただ、どちらも「2026年に今見るべきアクトか」と言われると、少し疑問は残る。両者とも現時点では新作のタイミングではないし(もちろん今後リリースの可能性はあるが)、ストロークスに関しては2023年のフジロック出演時とフェーズ的に大きくは変わらないはず。ラルクも長らく新作アルバムからは遠ざかっている。
同様に、JAMIROQUAIも状況としては近く、要するに「懐メロ枠」のような印象に寄ってしまわないかという危惧がある。もちろん「フェスは盛り上がってこそ」という考え方もあるが、それでもフェス側の「今こそこれを見てほしい」という明確なステートメントの説得力は重要だと思う。

一方で、DAVID BYRNEの招聘には大拍手を送りたい。「アメリカン・ユートピア」で提示した革新的かつ祝祭的なステージは、多くの音楽ファンがライブでの体験を望んでいるはずで、実際どういうステージになるかは分からないが、間違いなく貴重な機会になるだろう。

個人的注目は、CARDINALSFlorence Road。どちらもまだ新人バンドだが、ともにアイルランド出身という共通項を持つ2組だ。アイルランドといえばFontaines D.C.を筆頭に、KNEECAPやNewDadなど近年注目バンドが次々と登場し、現在のインディ・ロック・シーンではロンドン以上の熱量を放っている土地だ(もちろんU2やMy Bloody Valentineをはじめ、以前から重要なバンドを輩出してきた地ではあるが)。この流れの延長線上にある2組として見ても、何かしらのストーリーを感じずにはいられない。

その他、FKA twigsSteve Lacyといった先鋭的なアクト、今をときめくポップアイコンJENNIEKASABIANZEBRAHEADSUEDEといった「これぞ往年のサマソニ」と言いたくなる面々も嬉しい。

当然残るもう一組のヘッドライナーも気になるところ。例年の流れからすればポップ寄りの大物が来る可能性が高いが、果たしてどうなるか。

FUJI ROCK FESTIVAL’26

FUJI ROCK FESTIVAL’26

https://fujirockfestival.com/
2/20(金)に第1弾を発表。目にした瞬間、「これぞ苗場!」という印象に包み込まれる、らしさ全開のラインナップだ。
まずヘッドライナー3組だが、The xxMASSIVE ATTACKは事前予想でも頻繁に名前が挙がっていた。KHRUANGBINはやや意外性はあったものの、昨年Vulfpeckとのダブルヘッダー構想があったという話も知られていたため、完全なサプライズというほどではない。
TurnstileMITSKIもヘッドライナー候補として事前予想されており、それらが2行目に配置されている点にむしろ嬉しさを覚える。

大きな驚きをもって迎えられたのは藤井風XGだろう。特にXGを予想していた人はほとんどいなかったのではないか。オフィシャルサイトに掲載されている粉川しのさんのコメントにもある通り、コーチェラやロラパルーザのラインナップにも名を連ねる彼らの存在は、日本発グローバルポップという文脈において記念碑的な瞬間になり得る。

また2日目には、TOMORABASEMENT JAXXといった文句なしのダンス・アクトが揃い、濃厚なサイケ・ファンクでありながらダークな音像を持つKHRUANGBINとの対比がより際立つ、絶妙なバランスに思わず興奮してしまう。
その他、ARLO PARKSSNAIL MAILSORRYTHE BETHSQUADECAFRICOJAPANESE BREAKFASTAMERICAN FOOTBALLなどインディ・ファン必見の面々も揃い、Hi-STANDARDサニーデイ・サービスなどを筆頭に邦楽勢も充実。全体的な新鮮味という点では突出した驚きは少ないかもしれないが、細部を見れば見るほど楽しめそうなポイントが見つかる、非常に濃密なラインナップだ。

タイトルとURLをコピーしました